第14回 全国ベーゴマ選手権

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全国ベーゴマ選手権 初出場
一年に一度行われるベーゴマ全国大会。
9時半受付開始と聞いていたの9時に着けば十分だろうと思い息子と2人でいざ会場を訪れてみると、すでに長蛇の列が!
入口の廊下が開場を待つ参加者で溢れかえっていた。年々参加者が増え今年は約200名。ベーゴマのイベントとしては最大規模の大会です。

全国大会のルール
2つのベーゴマをスタッフから受け取り1時間の間にヤスリを使って好きなようにベーゴマを加工をします。
勝ち上がるには、先に2勝する必要があります。
予選は「リキ勝負」といって長く回っているか、相手を弾いて床(ベーゴマの台)から出せば勝ちです。
予選を突破した選手は本戦に上がり、「弾き勝負」となります。
これは先ほどの「リキ勝負」とは違って、相手を床から弾かないと勝ちになりません。
まず予選突破を狙うには長く回るコマを作った方が断然有利です。
何よりも全国大会のルールで厳しいのが床外し(ベーゴマが床に乗らないこと)をすると負けです。

なぜベーゴマを2つ使うのか?
ベーゴマは加工の仕方により回り方が大きく変化します。大きく分けて削り方は2通りです。
一つ目は、コマの中心軸を見つけて丁寧に加工すれば長く回るコマができますが、逆に弾かれやすくなります。
二つ目は、逆に中心軸をずらした加工をすると弾かれにくく、相手のコマを弾きやすくなります。
ルールや攻め方に応じてベーゴマを使い分ける必要があるのです。

予選大会
予選の初戦、私は赤羽ベーゴマクラブで顔なじみのお父さんとの対戦。大会の前日も赤羽ベーゴマクラブで対戦していました。相手の方はベーゴマ経験は私よりも浅いと思うのですが安定した投法でミスが少ない方でした。私は相手のコマの下に潜り込むように少し深くベーゴマを傾けて、力を抜いて投げ入れたところ、丁度よく相手の後ろから弾いて2勝して勝ち上がることができました。
2回戦目では赤羽ベーゴマクラブの小学三年生の実力者と対戦です。多くのベーゴマクラブや大会で優勝経験を持つ少年で、実力は申し分ない上に彼はそれ以上のものを持っています。それは私の知る限り誰よりもベーゴマ笑顔で楽しん投げ入れます。「ベーゴマは楽しんだもの勝ち!」とよく聞きます。私も誰よりも楽しんでベーゴマをしているつもりですが、この少年にはおそらく及ばない。別の大会で少年の決勝戦を間近で見ていたのですが最高の笑顔で楽しんでベーゴマをしていました。
勝敗は一勝二敗で私の負け。私がリキ勝負(長く回る勝負)で敵わないことがわかっていて、弾き切ることが出来なかったのが敗因でした。
息子も同じように二回戦で、沼袋ベーゴマクラブの実力者と対戦し負けました。
予選では多くの波乱があり、ベーゴマの真の実力者が次々と予選落ちしていました。全国大会初出場のわたしにとって全国の恐ろしさを改めて感じた瞬間でもありました。

本戦大会
予選で敗退した私たち親子は、ベーゴマ仲間の応援で勝負を見守りました。
・同い年の子供対決!
・顔なじみ同士の対決!
・夫婦対決!
・名人同士の対決!
多くのベーゴマ仲間が面白い組み合わせで戦っている姿は、どれも面白くスリリングです!

決勝の三つ巴戦
決勝は3名選ばれ、総当たり戦で一番勝率が多い選手が優勝です。
そのうちの1名は、私を負かしたあの小学三年生です。
200人近くの人に見守られての真剣勝負です。流石の少年も緊張が隠せないようで、顔がこわばっているようでした。
そして優勝したのは、通称プーさんと呼ばれる顔なじみのパパです。私が思うに勝因は実力はもちろんですが、やっぱり一番楽しんでベーゴマをしていたと思います。

30番戦
全国1位が決まった後は、30番戦です。
ノーマルベーゴマを使って4人同時入れで勝負します。その戦いを人をランダムに入れ替えて30回戦い一番多く勝った人が優勝です。ノーマル勝負は、何が起こるか全く予想がつきません。ここではなによりも「強運」を味方につけたものが勝者となります。私は10回ほど勝ったのですが、優勝者は16回と遠く及びませんでした。

恒例の場外ホンコ大会
大会後はまだまだベーゴマをやり足りない猛者たちが、会場の外でホンコを行います。
ホンコは負ければベーゴマが取られてしまう本気のバトルです。ホンコは相手のコマが欲しいだけでするものではありません。とったベーゴマを持ち帰り削りの加工技術を見て研究に使ったりもします。
私は自分のお気に入りのコマをあえて出してホンコをしました。今回の全国大会で私に足りないことが何か明確にわかったからです。私は加工技術が圧倒的に足りない!自分のお気に入りのコマを少し削り直すくらいのことしか最近していませんでした。これでは大会に勝てません。自分の思い通りのコマを一から作れる技術が必要です。ホンコの結果は3勝7敗で惨敗。私のお気に入りはほぼ手元になくなりました。これから加工技術向上に精進したいと思います。

ホンコをしていた時にある方に声をかけられました。大会の予選一回戦で私と対戦したお父さんです。
大会前日の赤羽ベーゴマクラブ大会と今回の全国大会で私に連続して負けたことを「悔しい」「次は負けない」と声をかけてくれたのです。
私も同じような経験がありました。私の場合は影ながら相手のお父さんを敵視するだけで声はかけていませんでしたが、その気持ちがあったおかげでベーゴマと真剣に向き合うようになったと思います。このお父さんとも今後も楽しんで真剣勝負ができると思うと嬉しくなりました。

大会を通して感じたこと
私はベーゴマを始めて一年以上が経ちました。その間に複数のベーゴマクラブやベーゴマ遊びのイベントに参加させていただいたおかげで、全国大会参加者の4人に1人くらいは一度は対戦したことがある方達でした。年代も幼児から70代、性別も関係なく顔なじみです。こんな短い期間でこれだけ多くの方達と知り合えたことは、大人になってからありませんでした。そこで出会う方たちはただベーゴマが大好きで、世代関係なく勝負し、負ければ悔しがり、勝てば喜びます。上下関係もなく純粋にベーゴマを楽しんでいます。改めてベーゴマを通しての人との繋がりに感謝したいと思います。

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